つづきのある話(1)

ある日、2人はバスを待っていた。待てども待てどもバスは来ない。
今考えてもどうでもいい話だ。きっとそのうち忘れる話だろう。


「嘘だと思ってるんだろ、お前」
「ええ。だってそれ、いつもの嘘ついてるときの顔でしょ?そう、その顔」
「おまえだって変な顔してるじゃないか」
「顔のことは言わないでくださいよ。これはあれですよ、生れつき!」


北の大地は直線道路が続く。
雲がすごい勢いで流れていく。その下に広がる秋色の小麦畑。


「血圧が300超えなんてありえませんて。何ですかそれ? もういいや、ほっとこ」


ここは『試される大地』。バスを待つのに忍耐力が試される。9月なのにありえないこの寒さ。


「寒いなぁ。そうだ、気がまぎれるように、なんか話しろ。俺の知らない話」
シュールストレミングっていうノルウェーの缶詰、知ってます?」
「すげー臭いやつだろ?知ってるよそれ。お前のことだから食べたこともないのにあれはダメだっていうんだろ、どうせ?」
「先輩だって食べたことないでしょ。先輩こそ・・・」
「それがなぁ、あるんだよ。昔、幼稚園でむりやり食べされられた。あれは5歳の頃だった・・・」
「食べたことあるんですか!?マジですか。しかも5歳って。変な人たち・・・」
「チビっ子にはつらかったぜー、あの臭いは。そうそう、あれからだよ。俺のぶっちぎりの血圧」


続きはまた今度。おそらく明後日。
てきとーに見えて実は違う。「つづきのある話」 第1弾終了っと。


ところでこれ、きちんと気づいてくれるのかな?