「い」の漫才

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<一般視聴者からのお題>

『い』で始まり『い』で終わる漫才をしなさい

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「一回戦から苦しいお題だな。厳しいー。」
「いきなりやってみる?なってみない?」
「いきなりー?うーん、そうだなぁ・・・。出来なくもない。」

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「一番手:アイアイさん 始めてくださーい」

勢いよく舞台袖から飛び出してくるアイアイ。

「いやー、どうもー。「アイアイ」でーす。少しの時間お付き合いください。」
「いつ見てもサルだなー。お前のそのたたずまい。」
「いきなりなんだよ。お前もその顔はかなりのサルじゃない?」」
「石川の方サルだろ。俺はそんなにサルじゃない!」
「いいから、もう。言い合いしていても話がちっとも進まない。」

「いやー、それにしても、いきなり登場ってつらくない?」
「いきなりやってみちゃうんですよ、実際」
「勢いでー?ホントー?でも、確かに人の話を全然聞かないで、勢いだけで突っ走っちゃう奴ってよくいない?」
「いるいる。こんな感じじゃない?」


石川は中央に座り、井上が石川にゆっくりと近寄る。シーンは『ようやくの再会』


「今までこんなところにいたのか・・・。探したよ。早く学校へ帰って来なさい。」
「井上先生・・・。私は先生の言ったことをやり遂げます。私はまだ、ここにいたい。」
「いいからまず立ちなさい。人の迷惑を考えなさい。」
「いいんです。すみませんが構わないでください。」
「意味を間違えているのですよ。あなたはいつも人の話を最後まで聞かない。」
「いや、間違ってない。私はここに座り続けられることを証明したい。」

「いつからここで座っているんですか、一体?」
「一年半くらいですかね。だから、まだ半分しか座ってない。」

「石川くん・・・。よく聞いてください。
『石の上にも3年』っていうのは実際に石の上に3年間座り続けろと言ってるんじゃない!」


「・・・いいオチがついたところで、座るのおしまい。」

「いーかげんにしなさい!」